平成28 年9 月1 日、厚生労働省より、平成29 年度税制改正の要望事項が公表されました。
医療法人、社会福祉法人に関連する主な要望事項は、それぞれ次のとおりであり、今後の動向に注目が必要です。
医療法人関連
- 医療に係る消費税の課税のあり方の検討(消費税)
平成28年度税制改正大綱に基づき、税制上の措置について、医療保険制度での手当の検討等とあわせて、関係者の意見、特に高額設備投資に伴う負担が大きいとの指摘等も踏まえ、平成29年度税制改正に際し、総合的に検討し、結論を得る。 - 医療機関の設備投資に関する特例措置の創設(所得税、法人税、事業税、固定資産税等)
国民に必要な医療の効果的・効率的な提供を促進するため、地域医療構想に沿った病床の機能分化・連携などに資する固定資産を医療機関等が取得した場合に、税制上の特例措置を創設する。 - 高額な医療用機器に係る特別償却制度の適用期限の延長(所得税、法人税)
医療保健業を営む個人又は法人が、取得価格500 万円以上の高額な医療用機器を取得した場合に、取得価格の12%の特別償却を認める特例措置について、対象機器を見直した上で、その適用期限を2年延長する。 - 医業継続に係る相続税・贈与税の納税猶予等の特例措置の延長等(相続税、贈与税)
持分なし医療法人への移行を進める医療法人について、移行期間中の相続税・贈与税に係る納税を猶予し、また、移行後に猶予税額を免除する等の措置について、その適用期限を延長等する。 - 地域に必要な医療を担う医療機関の事業の継続に係る税制の創設(相続税、贈与税等)
過疎地域、離島地域等において必要な医療を提供する医療機関(医療法人等)について、一定の期間の事業継続等を要件として、事業の継続に関する相続税・贈与税等に係る納税を猶予・免除する等の措置を講ずる。 - かかりつけ医機能及び在宅医療の推進に係る診療所の税制措置の創設(相続税、贈与税等)
かかりつけ医若しくはかかりつけ歯科医としての診療体制又は在宅医療に必要な診療体制をとる診療所に係る不動産について、税制上の措置を創設する。
社会福祉法人関連
- 保育の受け皿の整備等を促進するための税制上の所要の措置(相続税、贈与税、固定資産税等)
待機児童の解消に向けて、土地の確保を円滑にすること等により保育所等の整備が促進されるよう、保育所等の敷地として土地を貸与した者や企業主導型保育事業者についての特例措置を設ける等、税制上の所要の措置を講ずる。 - 現物寄附へのみなし譲渡所得税等特例措適用の承認手続の簡素化(所得税、個人住民税)
社会福祉法人等への現物寄附に係るみなし譲渡所得税等について、文部科学大臣所轄学校法人に認められている国税庁長官の非課税承認を受けるための要件に関する特例を適用する。 - 社会福祉法等の改正に伴う税制上の所要の措置(所得税)
社会福祉法等の一部を改正する法律の施行(閲覧対象書類の拡大)に伴い、閲覧対象書類が租税特別措置法施行令の範囲よりも拡大される。ついては税制上の所要の措置を講ずる。
改正要望事項の詳細については以下のリンクをご覧ください。
http://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2017/request/mhlw/index.htm
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000135263.html