令和3年11月12日、厚生労働省より、「他の法人形態で適用等されている会計処理等についての社会福祉法人会計基準への適用に係るQ&Aの送付について」(社会・援護局福祉基盤課 事務連絡)が発出されました。

企業会計基準の「会計方針の開示、会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」等、社会福祉法人会計基準における取扱いが明確になっていなかった事項について、今回、以下のとおりQ&Aとして明示されていますのでご確認ください。

 

問1 社会福祉法人には、会計方針の開示、会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準(企業会計基準第 24 号令和2年3月 31 日企業会計基準委員会)は適用されるのか。

(答1)社会福祉法人会計基準では、「会計方針の開示、会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」が適用されず、過去の計算書類に遡及して訂正する処理等を求めるものではないが、すでに適用している法人においては、継続適用を否定することまで求めるものではない。
なお、過去の計算書類において誤謬等が発見された場合には、過去の計算書類の遡及修正は行わず、誤謬等が判明した年度に処理するものとする。

 

問2 収益認識に関する会計基準(企業会計基準第 29 号令和2年3月 31 日企業会計基準委員会)において、消費税等の会計処理つき「税抜方式」の適用が求められるが、社会福祉法人会計基準においては、消費税等の会計処理はどのようになるか。

(答2)社会福祉法人は、営利法人と異なり消費税等の負担者となることが多く、本来税込方式が適しているものと考えられるが、法人の事業内容によっては課税売上割合が異なるため、法人の自主的な判断で税抜方式を採用することも可能とすることが実務上適していると考えられる。
よって、社会福祉法人会計基準では、消費税等の会計処理については税込方式を前提としつつ、法人が税抜方式を選択することも可能とする。

 

問3 社会福祉法人には、資産除去債務に関する会計基準(企業会計基準第18 号平成 20 年3月 31 日企業会計基準委員会)は適用されるのか。

(答3)社会福祉法人は、事業の用に供する基本財産を原則法人所有しなければならないことから、契約に基づく建造物の解体等の原状回復義務の会計的影響は限定的であると言える。また、法令に基づく有害物質の除去義務については、社会福祉施設における保有は限定的であることなどから、会計的影響は限定的であると言える。
よって、社会福祉法人会計基準では、資産除去債務に関する会計基準が適用されないことを原則的な方法とする。ただし、法人の中には、期間費用を平準化する等の観点から資産除去債務の計上が必要なケースも一定程度あると考えられることから、法人が自主的に適用することは可能とする。

 

問4 「社会福祉法人会計基準の制定に伴う会計処理等に関する運用上の留意事項について 21 退職給付について (1)期末要支給額による算定について」に記載されている「原則的な方法」とは何か。

(答4)「原則的な方法」とは、社会福祉法人の職員への退職給付について引当金及び退職給付費用を計上する会計処理として、退職時に見込まれる退職給付総額のうち当期末までに発生していると認められる額を、一定の割引率と予想残存勤務期間に応じて割引計算することなどにより算定する方法をいう。
一般的に、退職給付の対象となる職員数が 300 人以上の場合には、「原則的な方法」に基づいて引当金及び退職給付費用を計上することになるが、退職給付の対象となる職員数が 300 人未満の場合や、職員数 300 人以上であっても、年齢や勤務期間に偏りがあるなどにより数理計算結果に一定の高い水準の信頼性が得られない法人は、「原則的な方法」によらず期末要支給額により算定することになる。