現在、社会福祉法人の計算書類や現況報告書について、財務諸表等電子開示システム(以下、「システム」という。)に記録する方法で届出を行う準備を進めている法人も多いかと思います。
これらの記載内容について、よくある入力誤り等について記載しますので、作成する際の参考にしていただければと思います。

計算書類について

システムの財務諸表等入力シートで作成した計算書類が、定時評議員会で承認を受けた計算書類と記載内容が一致していることを、必ず確認して下さい。

法人内で使用している会計システムから出力されるCSVファイルを取込む方法で、財務諸表等入力シート上の計算書類を作成する場合は、記載内容の不整合が起こる可能性は低いと思います。一方で、財務諸表等入力シートに直接、手動で入力する場合、入力誤り等が起こる可能性がありますので、注意が必要です。

例えば、財務諸表等入力シートの内部取引消去入力において、プラス・マイナスを誤って逆に入力した場合、財務諸表等入力シートで作成した計算書類と、会計システムで作成した計算書類(定時評議員会で承認されたもの)の数値は乖離してしまいます。

定時評議員会で承認した計算書類が、法人として正式なものとなりますが、届出を行う際に数値等が変わっていないか、必ず確認する必要があります。

 

現況報告書について

新しい様式の現況報告書の記載内容で、よく見受けられる誤りは、以下のとおりです。

  • 評議員の任期について、定款で定めている任期と整合してない

→評議員の任期は、定款で伸長していないならば、通常は「H29.4.1~H33.6」(平成29年4月1日から平成32年度の会計に関する定時評議員会の終結の時まで)になるかと思います。

  • 理事、監事の任期の終期が、最初に招集される定時評議員会の終結の時までになっていない

→平成29年4月1日時点で在任する役員の任期は、最初に招集される定時評議員会の終結の時(平成29年6月○日)までです。

  • 評議員や役員の報酬等の総額の記載に、交通費等の費用弁償額を含めて記載している

→実費相当の費用弁償額は除いて記載します。

  • 報酬等の総額を当会計年度の予定額で記載している

→前会計年度に支出した実績額を記載します。

  • 職員を兼務している理事がいる場合に、報酬等の総額に職員としての給与を含めていない

→個人の職員給与が特定されてしまう場合の特例の適用を除き、職員としての給与も報酬等の総額に含めて記載する必要があります。

以上、参考にしていただけば幸いです。