厚生労働省より、平成29年1月24日付けにて、「社会福祉法第55条の2の規定に基づく社会福祉充実計画の承認等について」の中で別添として「社会福祉充実計画の承認等に係る事務処理基準」(以下、事務処理基準)が発出されました。また、それに合わせて、社会福祉充実残額算定シート(案)も変更されています。

今回、発出された事務処理基準は、平成28年12月14日から平成29年1月12日までパブリックコメントに付されていた事務処理基準(案)の確定版となります。

社会福祉充実残額に影響を与える可能性のある12 月14 日時点版からの変更点は、次のとおりです。

  1. 損害保険金又は賠償金を受け、これを原資として建物等の現状復旧を行うための財産については、当該保険金又は賠償金の範囲で「社会福祉法に基づく事業に活用している不動産等」として控除対象となることが追加されました。
  2. 「主として施設・事業所の経営を目的としていない法人等の特例」の計算方法が変更され、「再取得に必要な財産」と「必要な運転資金」との合計額が年間事業活動支出を下回る場合には、「社会福祉法に基づく事業に活用している不動産等」及び「年間事業活動支出」の合計額を控除する計算方法となりました。

特に2の計算の特例について、12月14日時点版では、「社会福祉法に基づく事業に活用している不動産等」と「再取得に必要な財産」との合計額が年間事業活動支出を下回る場合には、「年間事業活動支出」全額を控除することができるとなっていましたので、12月14日時点版と比較すると、今回の変更は、特例に該当する可能性、該当した場合の影響額ともに大きくなったと言えます。

不動産をほとんど所有せず、事業所等を賃借している社会福祉法人で特例に該当するケースが増えそうです。該当する場合の金額的な影響は大きいため、注意していただければと思います。